ばかり 副助詞《接続》体言、副詞、活用語の終止形・連体形などに付く。 ①〔範囲・程度〕…ほど。…ぐらい。…あたり。▽時期・時刻・場所・数量・大きさなどのおおよその範囲を示す。出典竹取物語 かぐや姫の生ひ立ち「三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり」[訳] (竹の中に)三寸(=約九センチ)ほどである人が、とてもかわいらしいようすで座っている。②〔動作や作用の程度〕…ほど。…ぐらい。出典徒然草 五三「頸(くび)もちぎるばかり引きたるに」[訳] 首ももぎとるくらいに引いたところ。③〔最上・最高の程度〕…ほど。…ぐらい。▽下に打消の語を伴って。出典枕草子 大蔵卿ばかり「大蔵卿(おほくらきやう)ばかり耳とき人はなし」[訳] 大蔵卿ほど耳ざとい人はいない。④〔限定〕…だけ。出典源氏物語 若紫「人々は返し給(たま)ひて、惟光(これみつ)ばかり御供にて」[訳] 人々はお帰しになって、惟光だけをお供にして。⑤〔動作や作用の程度の限定〕…だけ。…にすぎない。出典方丈記 「ただわが身一つにとりて、むかし今とをなぞらふるばかりなり」[訳] ただ私一人の身の上に関して、昔のことを今の楽しみと比べているだけである。 語法「ばかり」の接続と意味 語の歴史「ばかり」は動詞「はかる」の名詞形「はかり」からできた語で、上代には程度を示す用法だけであった。限定の用法は中古以後に現れた。中世以降は、程度の用法は「ほど」が受け持つようになった。 |