まにま-に 【随に】 分類連語 ①…に任せて。…のままに。▽他の人の意志や、物事の成り行きに従っての意。出典万葉集 三二九一「大君の任(ま)けのまにまに」[訳] 天皇のご任命のままに。②…とともに。▽物事が進むにつれての意。出典土佐日記 一・九「漕(こ)ぎゆくまにまに海のほとりにとまれる人も遠くなりぬ」[訳] 漕ぎ進むとともに海辺に残っている人も遠くなってしまった。 参考名詞「まにま」に格助詞「に」の付いた語。「まにま」と同様、連体修飾語を受けて副詞的に用いられる。 まま-に 【儘に・随に】 分類連語①…につれて。出典源氏物語 若紫「山の桜はまだ盛りにて、入(い)りもておはするままに、霞(かすみ)のたたずまひもをかしう見ゆれば」[訳] 山の桜はまだ盛りで、だんだん分け入って行かれるにつれて、霞のかかったようすも趣深く眺められるので。②…にまかせて。…ままに。出典徒然草 序「つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて」[訳] することもなく手持ちぶさたなのにまかせて、一日じゅう硯に向かって。③…のとおりに。出典更級日記 かどで「いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでかおぼえ語らむ」[訳] ますます知りたい気持ちがつのるけれど、自分の思うとおりに、(姉たちは物語を)そらんじていてどうして思い出して話せようか、いや、話せない。④…とすぐに。…やいなや。出典徒然草 八九「音に聞きし猫また、あやまたず足もとへふと寄り来て、やがてかきつくままに、頸(くび)のほどを食はんとす」[訳] うわさに聞いていた猫また(=想像上の怪獣)が、案の定足もとにすばやく寄って来て、いきなりとりつくとすぐに、首のあたりを食おうとする。⑤…ので。…によって。出典源氏物語 帚木「足らぬことなど、はた、なかめるままに」[訳] 足りないことなど、どう考えてもやはりないらしいので。 なりたち名詞「まま」+格助詞「に」 |